暗殺者「カラス」

彼はこの孤児院の常連だった。

貴族であり、優秀な「暗殺者」を育成、教育を生業に上り詰めた人である。


「お前には、暗殺者としての才能がある。
私のもとで訓練と教育を受け、一流の暗殺者として、私のもとで役に立て。」

彼が僕を見つめ、頭を撫でながらそう言った。



ある晩、孤児院は騒がしかった。
突如として現れた「暗殺者」の集団によって、襲撃され、皆殺された。

子供達や先生、全て…
辺りは血塗れ、悲痛な死に顔をしている人間たち。

ただ独り、生かされた僕は「暗殺者」の者にどこか…へと連れていかれた。



あの日、あの夜、僕はいつも見ていた貴族の別の一面を見た!

手には血塗れのナイフ…。
三年、囚われた院長を僕は殺した。

身動きのとれない彼女をジワジワと痛ぶりながら、最後は首をはね、殺してやった。

震えながら握ったナイフを彼女の頬に当てると、歪んだ彼女の顔が見える。

今までは逆の立場にいた僕は彼女の引きっつった顔を見て、手の震えが治まった。

まずはナイフの先で彼女の右太ももを軽く刺してみる。

手足を縛られ、椅子に座らされている彼女は悲鳴を上げた。

次はもっと深く…左太ももを刺す。
今度は悲痛な悲痛が上がる…。
次は…次は…と、足だけでなく腕や手などを数十ヶ所をナイフで切り付けていく。

彼女の悲鳴が…悲痛な顔が…僕を狂わせる。

最初は何も感じなかった…。
でも、今は苦痛で悶える彼女を見るのが楽しい…。

血が流れるのを見て、血飛沫が舞うのを見て、はじめて、微笑んだ。

僕は彼女の殺害で死んでいた心を取り戻せた。

僕は彼女の玩具であり、奴隷だった。
昼は貴族に売られ、夜は彼女を慰めるペット…
監禁され、首輪を嵌められた生活…

次第に心は死に、瞳は色褪せて言った。

そんな生活が終わったのだ。
彼のお陰で、僕の手で終わらせてやった。

死んでいた心が満たされたのだ…
彼女の血で染まった僕は彼女の悲痛な死に顔を見つめ、笑わずにはいられなかった。

三年も経っていたのに嘘の様な快感が僕の心を満たしたのだった。