「うっわー、すご」 その日は、何十年に一度とかいうスーパームーンが見られる日。 思わず感嘆の声をあげると、隣の部屋からくすくすと笑い声が聞こえる。 「あ、すみません」 「いえ、すごいですよね」 「ですねー」 ぽつぽつと言葉が飛んできたことに驚きつつ、それで会話が終わる。 いつも通り、缶ビールを一本開けてから家に入った