「あの、先輩。」
「ん?どーした?」
難しいと狼狽える彼女を慰めているとトロンボーンの後輩の純蓮(すみれ)に話しかけられる。トロンボーンの1年生の中でも、いやトロンボーンパートの中でもだろうか。トップといっていいほどの実力を持ちあわせている。彼女が言うに中学からやっていたらしいが、それでもプロ顔負けの実力だった。私を見つめる彼女は凛々しい雰囲気を纏っていてまさに美しいという表現がよく似合う美貌を輝かせている。誰しも名が体を表しているとはこのことかと納得せざるおえないショートの髪の毛も美しかった。だが、彼女は私に対し、いつも無表情のロボットみたいだった。
「これ」
冷たい表情からは検討もつかない、渡されたのはいつも私が持ち歩いているポーチだった。
「あ、え?!」
「落ちてたんで。先輩のですよね。」
無表情でも優しさが滲み出ている彼女に思わず見惚れてしまう。
「、、なんですか?」
「あ、なんでもない。ありがとう」
そう言うと彼女は何も言わずその場を去ろうとする。だけど思いついたように立ち止まってあの、と振り向く。
「それ、やめた方がいいですよ」
「え、?」
「じゃあ。」
彼女はそれだけ言うと合奏の準備をしに行ってしまった。
「え、どうしたの?」
「いや、大丈夫」
その様子を見ていた彩花が心配するような目で私を見つめる。
それ、とはどのことだろう。彼女は私の何を見てやめた方がいいと言ったのだろうか。
「ん?どーした?」
難しいと狼狽える彼女を慰めているとトロンボーンの後輩の純蓮(すみれ)に話しかけられる。トロンボーンの1年生の中でも、いやトロンボーンパートの中でもだろうか。トップといっていいほどの実力を持ちあわせている。彼女が言うに中学からやっていたらしいが、それでもプロ顔負けの実力だった。私を見つめる彼女は凛々しい雰囲気を纏っていてまさに美しいという表現がよく似合う美貌を輝かせている。誰しも名が体を表しているとはこのことかと納得せざるおえないショートの髪の毛も美しかった。だが、彼女は私に対し、いつも無表情のロボットみたいだった。
「これ」
冷たい表情からは検討もつかない、渡されたのはいつも私が持ち歩いているポーチだった。
「あ、え?!」
「落ちてたんで。先輩のですよね。」
無表情でも優しさが滲み出ている彼女に思わず見惚れてしまう。
「、、なんですか?」
「あ、なんでもない。ありがとう」
そう言うと彼女は何も言わずその場を去ろうとする。だけど思いついたように立ち止まってあの、と振り向く。
「それ、やめた方がいいですよ」
「え、?」
「じゃあ。」
彼女はそれだけ言うと合奏の準備をしに行ってしまった。
「え、どうしたの?」
「いや、大丈夫」
その様子を見ていた彩花が心配するような目で私を見つめる。
それ、とはどのことだろう。彼女は私の何を見てやめた方がいいと言ったのだろうか。
