一週間ぶりの学校に行けることに嬉しくって。
桃と淳が目の前歩いていたから挨拶した。
「おはよ!」
「おはよ!!」
私は、昨日無意識に彼がいるカフェにいったことを話し始めた。
二人は、真面目に話聞きながら勝手に目からあふれてくる私のところに来て寄り添ってくれた。
「よく頑張ったよ…桜は。」
「俺も桜が彼の前で涙流さなかったことに偉いと思った」
桃に『何偉そうなこと言ってるの』って目で訴えられつつしばかれた。
それ見てコント見てるようで、笑ってしまった。
淳は、桃と付き合っているけど頼りになる存在。
私は、一回は皆淳のことを好きになってるんじゃないかなってくらい
『顔だちもよく』『性格もめっちゃいい』と私も桃も先輩や後輩にもいいと言われるくらいのモテ男。
モテ男って大抵『浮気』『飽き性』と思っていたけど…。
淳だけは周りのモテ男とは違って、ちゃんとしていて信頼していいと思えたから一緒にいられる。
桃を淳が付き合ったのは、中学二年生の今と同じ夏休みはいる前の出来事だった。
進学したとたんクラスの男子に告白されることが多くなり、他クラスからも同クラスの女子からも妬まれ…
朝登校したら、机に落書き・靴箱に入っている上履きはさみで切られていたのを淳が新しい机に変えてあげたり、上履きを新しく買いに行ってくれて来る前に用意してくれた。
「淳くん…ありがとう」
「桃は可愛いのと性格良すぎるから妬まれやすいのかもなぁ。妬まれてもさ!桃にはいいことなんだし堂々といればいいじゃないかなって俺は思うかな!!」
淳に、優しい言葉を言われて桃は少しずつ惹かれつついた。
毎日のように門前で来るのを待ってくれたりして、学校生活でもずっと一緒にいるようになって。
終業式に、淳から桃に告白してお互いの気持ちが『両想い』となった。
で、今に至るって感じ♪
「桜カフェ行こうよ!」
「桃…桜の傷がどんどん深く傷つくでは?」
「彼女はきっとあのカフェの店員な気がするからいこうかなって思っただけ」
「二人ともありがとう!私なら大丈夫だよ…」
放課後、桃達と爽やか彼がいるカフェに行った。
「あ、桃ちゃん達…こんにちは」
淳は、自分の後ろに桜を隠した。
「ご案内します。こちらの席でお願いします」
「はーい」
淳は、桃を桜に座らせた。
「二人とも気にかけてくれてるのはありがとうだけど…ここまでしなくっていいのに」
「俺たちは、桜が心配なんだよ。店員の彼にここまで桜の気持ちをズタボロしておいて許せないからさ」
わたるがこっちを見ていた。
その時…
「わたるく~ん今日はキスしてくれないの?」
「なんですか!あなたはお客様の目でもキス欲しがるとは…目つぶってください」
チュッ
「これで満足ですか」
「ありがと♡」
私は、わたると彼女がキスしているのを見て思わず…
「淳…桃‥‥先帰るね…お金おいていくね…」
「桜!!!」
桜は、結構今ので傷ついてしまった。
二人は、傷ついてしまった心をどうやって元気づけるか考え込んでしまった。
わたるとあの彼女が…キ、キス…
心がいたい…苦しい…
でも‥彼女だからしょうがないことなのは分かってるけど…
あの時、わたるの彼女目をつぶってなく私の方見て…キ、キス終わった瞬間ニコッって笑っていた。
心がずきずきする…痛い…
ゆっくり歩き家に到着した。
「‥‥」
「桜どうしたの?」
うるうるした目で兄ちゃんに抱きついた。
沢山泣きながら…
「わ、私…し、失恋した…(泣)心がいたい…」
兄は何も言わずに、黙って強く抱きしめてくれた。
「本当に大好きな人と出会ったんだね…心が痛くなるくらい好きだったんだね‥」
一晩中兄ちゃんは、寝ずに傍にいてくれた。
そして…
次の日…
私学校を休み、兄ちゃんも仕事を五日間休んでくれた。
終業式だった。
兄ちゃんと箱根に車で向かっている途中だった。
「兄ちゃんはパパママと旅行行ったことあるの?」
「うーん。記憶にないけど行ったことあるんじゃないかな?」
車内で沢山語りつつ、兄ちゃんが質問してきた。
「桜はどんな人に惹かれたの?」
「爽やかで優しくって紳士でイケメン」
兄ちゃんが笑っていた。
「ねー聞いておいてなんだよぉー」
「俺の思っているのとめっちゃ当てはまったから笑ってしまったんだよ!」
「兄ちゃんは今の彼女さんどんな人?」
兄ちゃんは、彼女のこと『真面目な人』ってまとめて答えてくれた。
兄ちゃんと居ると本当に心地よくって落ち着く。
彼女が羨ましくってたまらないけど、この5日間は私妹が独占中だから思う十分楽しむことにした。
あの爽やかなわたるのこと…5日間忘れて楽しんだんだった。
