さすがにもう大丈夫…だよね。


3月に入って最初の登校日。


私の心は、ほぼ落ち着きを取り戻していた。


サンドイッチ屋さんに同行した日。


並んで歩くことに対して、氷乃瀬くんに“堂々としていればいい”と言われて当時は納得したものの…


帰宅した後、次第に不安が強くなってきてしまい、あれから内心ビクビクする日々を過ごしていた。


特に熱狂的な氷乃瀬くんファンの女の子たちに目撃されていた場合。


こちらがどんなに身の潔白を訴えたとしても、信じてもらえないどころか激しい怒りを買う可能性が高いからだ。


でも、今のところ目撃証言や噂などは耳にしない。


どうやら杞憂に終わったようだ。


誰にも見られなくて本当に良かった…と心の底から安堵した、その日の放課後のことだった。