一体、何が特別なんだろう。
市立図書館行きのバスに乗った私は、窓側の座席に座ると先程の氷乃瀬くんの言葉について考え始めた。
他の女の子たちとの相違点。
………そうか。
なんか答えが分かった気がする。
私はファッションやメイクの流行だったり、オシャレをすることに興味がない。
それに裁縫や料理、その他の色んな分野における女子力だって高いとは言えない。
可愛い要素は皆無。
“他の女子とは違う”
つまり、氷乃瀬くんに女の子だと思われていないんだ。
ちょっと気さくに話せる男友達みたいな。
それで私のことを『特別』という言葉で表現したに違いない。
腑に落ちる結論を導き出せてスッキリした…!
私は、清々しい気持ちで車窓から見える景色を眺めていた。


