「陽咲、ごめん」
それから5分後。
目的地と思われるお店に到着したけれど、氷乃瀬くんから開口一番に謝罪の言葉が飛び出した。
白いレンガ造りの小さなお店。
出入口のドアには臨時休業の張り紙がされていた。
「平日が営業日だっていうのは何日か前に確認しておいたんだけど、まさか今日が休みとは……」
「急なお休みみたいだから仕方ないよ」
「せっかく一緒に来てもらったのに、無駄足になっちゃったな」
「そんなことないよ。この辺りに来たことなかったから、ちょっとしたお散歩気分で楽しんでたし。ところでここって何のお店なの?」
「サンドイッチ専門店。半年ぐらい前にオープンしたらしい。なんかSNSでフルーツサンドが特に美味しいとかって話題になったらしくて、母さんに買って来て欲しいって前々から頼まれてたんだ」
「そうだったんだ。でも私に同行をお願いしたのはどうして?」
氷乃瀬くんは少し気まずそうな表情をしながら人差し指で頬をかいた。
「何度か店の前まで来たことあるんだけど、いつも長い行列が出来てるし、客は女ばかりだったから男一人じゃ並びにくくて…」
なるほど、私は行列での待機要員だったのね。
それから5分後。
目的地と思われるお店に到着したけれど、氷乃瀬くんから開口一番に謝罪の言葉が飛び出した。
白いレンガ造りの小さなお店。
出入口のドアには臨時休業の張り紙がされていた。
「平日が営業日だっていうのは何日か前に確認しておいたんだけど、まさか今日が休みとは……」
「急なお休みみたいだから仕方ないよ」
「せっかく一緒に来てもらったのに、無駄足になっちゃったな」
「そんなことないよ。この辺りに来たことなかったから、ちょっとしたお散歩気分で楽しんでたし。ところでここって何のお店なの?」
「サンドイッチ専門店。半年ぐらい前にオープンしたらしい。なんかSNSでフルーツサンドが特に美味しいとかって話題になったらしくて、母さんに買って来て欲しいって前々から頼まれてたんだ」
「そうだったんだ。でも私に同行をお願いしたのはどうして?」
氷乃瀬くんは少し気まずそうな表情をしながら人差し指で頬をかいた。
「何度か店の前まで来たことあるんだけど、いつも長い行列が出来てるし、客は女ばかりだったから男一人じゃ並びにくくて…」
なるほど、私は行列での待機要員だったのね。


