カウンター当番も無事に終わり、久しぶりに萌絵ちゃんと一緒の帰り道。
とは言え、私は電車通学だから駅前でお別れ。
10分ほどの短い時間であっという間だけど、このひとときがいつも楽しい。
和やかにお喋りをしながら歩いていると、洋菓子店の前で萌絵ちゃんが立ち止まった。
「来週の金曜日はバレンタインだね~」
「うん」
私にとってのバレンタインはお父さんに感謝の気持ちを込めてチョコレートのお菓子をプレゼントする日。
同世代の男の子に渡したことは一度もない。
でも今年は……。
「私、実は片想いしている幼なじみがいるんだ」
「そっ、そうなの!?」
笹森先輩の姿を思い浮かべていた私は“片想い”という言葉に思いっきり反応してしまった。
「家が隣同士で、小さい頃から一緒に居るのが当たり前みたいな感じだった。そんな環境だったから私を恋愛対象として見ていないんだ」
「そっか…」
「今まではどんな反応するか怖くてチョコ渡せなかったんだけど、別々の高校に進学して一緒に過ごす時間が減ったら好きの気持ちが膨らんじゃって。だから今年は本命チョコ渡してちゃんと気持ちを伝えようと思ってるんだ」
萌絵ちゃん、キラキラしたオーラが出ていて可愛いな。
好きな人に告白か…。
「……私も勇気を出して渡そうかな」
心の中で密かに呟いたつもりだったけれど、どうやら口に出していたらしい。
「栞ちゃんも渡したい人がいるんだね!」
返ってきた萌絵ちゃんの言葉に、たちまち顔が熱くなった。
とは言え、私は電車通学だから駅前でお別れ。
10分ほどの短い時間であっという間だけど、このひとときがいつも楽しい。
和やかにお喋りをしながら歩いていると、洋菓子店の前で萌絵ちゃんが立ち止まった。
「来週の金曜日はバレンタインだね~」
「うん」
私にとってのバレンタインはお父さんに感謝の気持ちを込めてチョコレートのお菓子をプレゼントする日。
同世代の男の子に渡したことは一度もない。
でも今年は……。
「私、実は片想いしている幼なじみがいるんだ」
「そっ、そうなの!?」
笹森先輩の姿を思い浮かべていた私は“片想い”という言葉に思いっきり反応してしまった。
「家が隣同士で、小さい頃から一緒に居るのが当たり前みたいな感じだった。そんな環境だったから私を恋愛対象として見ていないんだ」
「そっか…」
「今まではどんな反応するか怖くてチョコ渡せなかったんだけど、別々の高校に進学して一緒に過ごす時間が減ったら好きの気持ちが膨らんじゃって。だから今年は本命チョコ渡してちゃんと気持ちを伝えようと思ってるんだ」
萌絵ちゃん、キラキラしたオーラが出ていて可愛いな。
好きな人に告白か…。
「……私も勇気を出して渡そうかな」
心の中で密かに呟いたつもりだったけれど、どうやら口に出していたらしい。
「栞ちゃんも渡したい人がいるんだね!」
返ってきた萌絵ちゃんの言葉に、たちまち顔が熱くなった。


