すっかりルーティンになってるな、この行動。


もうすぐ1月下旬になるということは、あれから半年も経つんだ。


足早に管理棟へやって来ると、既に十数人の生徒たちが集まっていた。


この建物の1階は吹き抜けのホールになっていて、その一角で月水金はお弁当屋さんが、火木はパン屋さんがお昼休みに合わせて販売をしに来ている。


今日は木曜日だからパンの日。


豊富な種類のパンが並んでいて、私もたまに利用するけれどとても美味しい。


でも、今日は管理棟に入ったところの直ぐ右側に設置されている自販機にココアを買いに来ただけ。


もっとシンプルに言えば、この場所に来たかっただけ。


というのも…


笹森(ささもり)、今日はどうする?」


「俺は特製カレーパンとクリームパン、あとはフルーツサンドかな」


き、来た……!


自販機から出てきた温かい缶ココアを握りしめて、ゆっくりと振り向く。


パンを買おうと群がる生徒たちの中に彼を見つけた瞬間、私の胸は高鳴った。