「先ほどケガをした生徒に付き添って昇降口へ行きましたので今は不在です。暫くしたら戻って来ると思います」


久しぶりに話せたっていうのに、なんで自動音声みたいな返答してるんだ私は。


言った瞬間から後悔が押し寄せた。


「そっか。紙で指を切ったから絆創膏を貰って直ぐに授業に戻ろうと思ったんだけど、どうしようかな…」


先生はまだ帰って来る気配がないし、困っている笹森先輩の助けになりたい。


「あの、絆創膏を探してみますので先輩はソファーに座って待っていて下さい」


「何もしないで待ってるのも悪いから俺も一緒に探すよ」


先輩も一緒!?


驚きと緊張で心が悲鳴をあげる。


爽やかな笑顔の先輩にコクコクと頷いて、絆創膏の捜索にとりかかった。


「ここには無いか…」


「先輩、そうなると向こうの戸棚にあるかもしれないです」


「どれどれ……あっ、発見!」


戸棚の中にあった絆創膏を手に取った先輩は、私に向けてそれをヒラヒラと軽く揺らす。


さほど時間はかからず、無事に見つけることが出来た。