春待つ彼のシュガーアプローチ


今日で私のことを更に知ってもらったことだし、今度は氷乃瀬くんのよく行く場所も教えてもらわなくては。


そう思って質問を投げかけようとした時。


「あのさ、帰る前にちょっとトイレに行って来てもいい?」


「うん!図書館を入って右に進んで行くと奥にあるよ」


「分かった、ありがとう」


氷乃瀬くんは片手でごめんとジェスチャーをした後、小走りで図書館の方に向かっていった。


急に訪れた一人だけの時間。


さっき借りたばかりの本を読み始めてもいいけど、殆どページが進まないうちに戻ってくると思うし…。


そうだ。
何か飲み物を買って来よう。


持参していた水筒は飲み終わってしまって、ちょうど空っぽ。


喉も渇いてきたから水分補給したいと思ってたところなんだよね。


自動販売機はこの木陰の中の小径を抜けた先にあるから、時間もそれほど掛からない。


さっさと行動に移そう。


私は立ち上がると足早に自動販売機へと向かった。