春待つ彼のシュガーアプローチ


今日は諦めよう。


教室を出て黙々と歩く。


電車に揺られ、自宅の最寄り駅で下車した私は、改札に向かって歩く足を止めた。


このまま帰宅していいの?


話せない状況だから後回し…を繰り返していたら明日も明後日も、その先ずっと何も変わらない。


機会を待つんじゃなくて、自分で作らないと。


後悔を重ねないように。


私はホームのベンチに腰掛けた。


どの時間の電車で来るか分からないけど、ここで待っていよう。


そうだ、お昼休みに氷乃瀬くんと話せそうになかったから図書館に行って本を借りてきたんだっけ。


スクバから文庫本を取り出す。


読み進めていくうちに、だんだん瞼が重くなってきて思わず欠伸をしてしまった。


内容がつまらないとかではなく、眠気が襲ってきたのだ。


昨日の夜、氷乃瀬くんにどんな顔して会えばいいんだろうってグルグル考えていたら殆ど眠れなかったんだよね。


今日は学力テストだったから、集中して気合いで乗り切った分、今になって反動が来たのかもしれない。


うつらうつらする私。


そんな状態のまま暫く時間が経過した時だった。