春待つ彼のシュガーアプローチ


いけない、いけない。


朝から友達に心配をかけてしまうなんて。


顔に出さないように気を付けなくちゃと思いながら、頬を手で挟んで、そのままムニムニと回した。


氷乃瀬くん、本当にお休みなのかな…。


もしも、このままずっと学校に来なくなるなんてことになってしまったら、どうしよう…。


唇を噛みしめていた時、教室の前方の入り口から氷乃瀬くんが足早に入って来た。


「おはよ」


「お、おはよう」


私の席の横を無言で通り過ぎるかと思いきや、普通に挨拶をしてくれて。


驚きと戸惑いが声に反映されてしまった。


怒ってないのかな…。


ソワソワしながら目線を机に落とすと、隅に四角く折り畳まれた小さな紙が置かれていた。


これ、氷乃瀬くんが…?


挨拶されて反射的に顔を上げたから、全然気付かなかった。


その紙を手に取った私は、ゆっくりと広げた。