春待つ彼のシュガーアプローチ


「…………」


「…………」


お互い、沈黙したまま時間が流れていく。


あまりにも突然で。
告白されるのなんて生まれて初めてのことで。


頭の中は混乱を通り越して真っ白だ。


「陽咲。あのさ…」


「わわわっ私の家、もうすぐそこなので…あとは走って帰るね。傘、ありがとう。ここで失礼します」


暫くして。


無言の私に痺れを切らしたのか、口を開いた氷乃瀬くん。


その瞬間、弾かれたように体が仰け反って少し後退りをする。


ようやく出せた言葉は事務的な挨拶のように素っ気なくて。


居たたまれなくなった私は、氷乃瀬くんから逃げるようにその場を離れた。