春待つ彼のシュガーアプローチ


「陽咲のことが好き」


真剣な眼差しと優しい声。


心なしか氷乃瀬くんの頬が赤くなっている気がした。


「出会って間もない頃から、陽咲は俺にとって“特別な女の子”になってた」


ちょっと待って。
今、何が起きてるの?


体が石のように固まって動かない。


戸惑っている私を見つめたまま、氷乃瀬くんは傘の柄を強く握りしめた。



「俺と付き合って欲しい」



少し強い風が橋の上を吹き抜けて、たくさんの桜の花びらが一気に舞い落ちる。


氷乃瀬くんの言葉はやけに鮮明に聞こえて。


これは有り得ない夢ではなく現実なんだ。


そう実感した私の心は大きく跳ね上がった。