無気力クールな僕ですが、真面目な天然規格外男子に沼りました。

 やばい、やばいやばいやばい
 捻挫した足と反対の足、それから両手で必死に水をかくけど、なかなか海面に向かっていかない。
 それどころかどんどん下に引っ張られる。
 ……おい、嘘だろ
 俺、このまま溺れ死ぬのか?
 パニックになった脳は思考停止して、ゴボゴボと自分を包み込む液体の重さがのしかかる。
 冗談だろ。
 こんなとこでいきなり、こんな間抜けな死に方、ありえねぇだろ。
 必死で捻挫した足も使って泳ごうとするけど、どう足掻いても太陽の光は遠のくばかり。
 そろそろ息も苦しくなってきた。
 やばい。
 これ以上は、ほんとに……

 誰か……!


 とうとう息がもたなくなって、ゴボッと俺の口から酸素が出ていくと、フッと意識が遠のくのを感じた。

 その時だった。
 誰かに手を引かれたような気がした。
 続けて腕、肩、腰を何かに掴まれ背中から抱き止められたような。
 朦朧とする意識の中で、その感覚が現実なのか願望からくる幻覚なのかがわからなかった。
 ただ、俺を包む腕が暖かくて、頼もしくて、泣きたくなった。
 そしてうっすらと視界にうつった黒髪に、胸が焼き切れそうなほど熱くなった。