無気力クールな僕ですが、真面目な天然規格外男子に沼りました。

 足が地面から離れた瞬間、蹴った奴の歪み切った笑顔が視界の隅に入った。
 それに対して何か言う暇なんかなく、俺はドボン!と勢いよく海に飛び込んだ。
 水の中までやつらの高笑いする声がくぐもって降ってくる。
 ……はあ。
 うぜぇ。
 驚いたのは一瞬で、やつらの子どもじみた行いに呆れて怒る気にもなれない。
 うわ、スマホも財布もポケットに入れっぱだし。最悪。
 今度どうやって復讐してやろう?
 とりあえずスマホが無事だったらいいが、財布の中身や服のクリーニング代は弁償してもらおう。
 大人に手伝ってもらうのも手かもしれない。
 話は岸に上がってからだ。
 とっとと泳いで水面に行こう。
 穏やかな海の中でそんなことを瞬時に考えた俺は、海面に向かって勢いよく足を蹴り出した。

「……!!」

 ズキン!と激しく痛む捻挫した足。
 重くなった服。
 体が思い通りに動かせないことに気づいたのは、海に落ちてから数秒後のことだった。

 ……!