無気力クールな僕ですが、真面目な天然規格外男子に沼りました。

 その時、背後から聞こえたイヤミったらしい声が俺の思考に横入りした。
 まさに考えていた面倒なやつらの声。
 俺はうんざりしながら振り向く。

「この自分大好きナルシストっぽいシルエットは〜安斎聡太くんじゃね!?」
「……」

 以前俺に水をぶっかけやがったモブ男三人組が、私服姿でニタニタ笑いながらこちらに歩いてきていた。
 あーあ、今日は厄日だな。

「やっば!すげぇ偶然!」
「えっなになに?海見て黄昏てた!?」
「え〜かっくいい〜僕にはできなぁーい!」
「ギャハハ!」

 めんどくさいことになった。
 俺は無視を決め込むことにして、大きくため息をついてからそっぽを向いた。
 するとそれまでおちゃらけた雰囲気だったのが一気に険悪なそれに変わる。

「あ?なんだよその態度」
「調子乗ってんじゃねーぞ」
「てめぇこないだのバケツ、忘れてねぇからな」

 バケツがクリーンヒットした場面を思い出して、三人の真ん中にいるそいつの額を見る。
 見事な青あざになっている。
 フ、と思わず口角が上がった。

「おでこ青くなっちゃってんじゃん。かっくいい〜」

 そう嘲笑ってやると、青アザくんの顔にわかりやすく怒りの表情が浮かんだ。
 ザマァ、と胸がすくような思いがした、次の瞬間。
 思い切り背中を蹴られた。

「!」

 俺はバランスを取ることもままならず、重力に負けて海へと身体が傾いた。