無気力クールな僕ですが、真面目な天然規格外男子に沼りました。

「聡太くん!大丈夫ですか!?」

 身動き取れなくなっていると、心配そうな顔で駆け寄ってくるナギオと佐吉。

「っ、おー」

 ヘラ、と笑ってみせるけど冷や汗が滴り落ちる俺の表情筋は多分ヒクついている。
 ちょうどその時、赤ん坊の母親らしき人が大慌てで駆け寄ってきた。
 母親はごめんね、ごめんねと赤ん坊に話しかけながら抱きしめると、俺に向かって頭を下げた。
 聞くと、赤ん坊は四人兄弟の末っ子で、ベビーカーに乗せておいた状態で走り回るヤンチャな兄弟に気を取られていたところ、まだ幼い兄の一人が赤ん坊をベビーカーから下ろし、目を離した隙に一人でハイハイして行ってしまったと言う。

「本当にありがとうございました……!」

 涙ながらに謝罪されて、お金まで渡されそうになったので必死に断った。
 しばらくペコペコ謝り続けた母親は、最後に深々とお辞儀をすると、何があったかわからずキョトンとする兄弟たちを連れて帰っていった。