あれから学園内がものすごく騒がしくなった。
理由は簡単......女子がしてるはずの赤いはちまきを、深影くんが首に巻いてるから。
女の子たちがみんなこぞって交換した相手が誰かを捜索中……らしい。
ブルーのはちまきをしてるわたしは内心ヒヤヒヤ。
さいわいにも、男女ではちまきを交換してる子が結構いるので、相手がわたしだっていうのは、なんとかバレずにいるわけだけど。
今は休憩時間で、人目のつかない場所で深影くんと一緒にいる。
「柑菜が飲んでるの美味しそうだね。ひと口ちょうだい」
「ど、どうぞ」
あまり深く考えずに、飲んでたペットボトルをそのまま渡した。
深影くんがペットボトルに口をつけた瞬間、ハッとした。
あ、あれ......これって、もしかして間接キスになるんじゃ……⁉︎
意識し始めた途端、異常なくらいの恥ずかしさに襲われる。
深影くんは気づいてないのか、意識してないのか。

