「綺堂先輩すごいね〜。まさに歩くフェロモンだ!」
「凛花ちゃんそのたとえ......」
「それに、相変わらずクールだよね〜。ほら見てよ、あんなに女子に囲まれてるのに、ニコリともせずに興味ありませんオーラ全開だし!」
たしかに、女の子たちがあんなに夢中なのに、まったく相手にしてない深影くん。
それに、わたしと一緒にいるときと全然反応が違う。
「綺堂先輩って、柑菜ちゃんといるときも普段からあんな感じなの?」
「うーん......むしろ真逆というか」
「それって柑菜ちゃんにしか見せない顔があるみたいな⁉︎」
「ど、どうなんだろう」
「えー、何その特別感! 全人類の女子が憧れるやつじゃんっ」
すると、偶然なのか深影くんの目線がこっちに向いた。

