「柑菜見てると縛りたくなるね」
「は......はい⁉︎」
ネクタイをほどいて、愉しそうに笑ってる。
これは、何かよからぬことを考えてるに違いない......!
「ほら、こうやって抵抗できないのどう?」
「え、ちょっ......」
両手首を胸の前で合わせられて、黒のネクタイがグルグル巻かれる。
軽くキュッと結ばれて、ちょっと力を入れるくらいじゃほどけない。
「なんかこういうの興奮するね」
「み、深影くんってじつは変態なんじゃ......」
「柑菜くらいだよ。俺にそんなこと言えるの」
なんて、こんなやり取りをしてたら、ノックもせずに部屋の扉がいきなり開いた。

