そっと手を伸ばして、わたしの頬に触れた。 指がわたしの唇にスライドして、形をたしかめるようになぞってくる。 「自分の運のなさ......恨みなよ」 「んんっ......」 唇に押し付けられる、やわらかい感触。 熱に浮かされて......少しの間、思考が停止した。 間近で絡む視線、濡れた唇がもっと求めるように誘って......今やっとキスされてるって理解した。 な、なんでこんなことに......っ? 拒もうとしても、全身が甘さに震えて......抗えない。