クールな綺堂くんの理性が夜だけ狂います。



「あの、わたし、このこと誰にも言ったりしません」


「それはどうだろうなー。あとで騒がれて問題になっても厄介なんだよ。だから、野放しにしておけねーんだよ」


「僕も、この女がぜったい言いふらさないって保証ないと思う」


ちょ、ちょっとまって。

なんで風神先輩も紫桜くんも、こんな疑ってくるの。


しかも、よく考えたらわたしはほとんど悪くない......よね?


なのに、なんでいきなりこんなふうに疑われなきゃいけないの?


それに......。


「ファーストキス......だったのに」


綺堂先輩に事情があるのはわかったけど、わたしだってファーストキス奪われたの知ってショックなのに。


こんなことになるなら、何も知らないまま夢で終わったほうがマシだった。