「にしても、脚震えすぎな? 生まれたての子鹿かよ」
「風神先輩もこのヒールで歩いたらこうなりますよ!」
「ほら、ふたりとも。俺の柑菜をいじめないで」
とりあえず、三人がそばにいてくれるのは心強い。
できたら、この状態をキープして会場に入りたい。
「碧緒、粋生。悪いけど先に受付すませてきて」
深影くんに手を引かれて、死角になるところへ。
いつもと雰囲気の違う大人っぽい深影くんに見惚れてると......。
「んっ......」
不意に唇が重なって、深影くんのスーツをキュッとつかむ。
ちょっと触れるだけかと思ったら、キスはどんどん深くなって。
「みかげ、く......んっ」
「可愛いからやっぱ我慢できない」
余裕そうな笑みを浮かべて、もっと迫ってくるの。

