結局、あれから深影くんには何も聞けず、他の準備をすませて迎えの車で会場に向かった。
いま会場で風神先輩と紫桜くんと合流したところ。
「おー、柑菜ドレス似合ってんなー。いつもと雰囲気違っていいな」
「深影くんの見立てがいいだけでしょ。ヘマして深影くんの顔に泥塗ったら、僕が許さないから」
深影くんがドレスに見合うようにって、ヘアセットとメイクをしてくれる専属の人まで呼んでくれた。
なので、いつもより少し雰囲気は変わったかな......なんて。
「粋生は相変わらず柑菜に厳しいのなー。柑菜もこういう場所はじめてなんだから、大目に見てやろうぜ?」
ほんとに、まさにそのとおり。
慣れないパーティーに参加することになって、心臓がおかしいくらいにバクバク鳴ってる。

