君の手を

「いただきまーす!」

三人そろったところで晩ご飯だ。祐太にもちっちゃいオムライス。

祐太の大好きなラスカルの絵皿に盛り付ける。


佳祐はひと口食べて、目を丸くして私を見た。

「うまい!」

「うままい」

祐太も佳祐のまねをして言った。

「て、言うかこの味…」

気付いてくれた。真沙子特製オムライスだよ。

「真沙子が作るのと同じでしょ?ケチャップじゃなくてデミグラスソースなの。これは私たちの間で流行ってたレシピなんだ。他にもいろいろあるよ」

「ママのオムライ!」

「バッチグーでしょ?」

「うん!バッチグー!」

祐太も気に入ってくれた。

ふと佳祐を見ると、スプーンを持ったまま食事が止まっていた。

「どうしたの?」

佳祐はスプーンをお皿に置いて、私をジッと見つめたあと、微笑んだ。

「今一瞬、君が真沙子に見えた。本当に不思議な子だな、君は。こんなに何もかも似ている他人なんているんだなあ」


「私が、真沙子だって言ったら、信じる?」

私の口から思わず出てしまった言葉。私、何言ってるんだろう。

「何それ?生まれ変わりとか?」

佳祐は私の話を穏やかな表情で聞いていた。

私は黙って頷いた。



「信じる…かも」


もう、ここで言ってしまおう。嫌われても、気持ち悪がられてもいいから…。