ピロリン♪

メールが来た!佳祐かな?私は携帯を開けてみた。

雅人からだった。私の中に少しの落胆と罪悪感が広がる。

[あした暇なら、たまには外出ようか?]

外ね。確かに外出してはいけないとか言われてないし、いいかも。

[いいよ!どこ行くの?]
私は雅人に返信した。

ピロリン♪

返事早っ!

[オッケー!じゃああした朝九時くらいに迎えにいくよ!どこ行くのかは、お、た、の、し、み!]

[了解!]

明日は外でデートだ。

ピロリン♪

再びメール。

[美里、何かメールの文体がおばさんクサッ(笑)]

気にしてなかった。そうなのかな?やはり27歳の女の人の記憶のせい?


[病人落ち込ませるよなこと言うなよー!雅人のバカ!]

[ごめんごめんっ!まあ、そう言うわけで、またあした!]

どう言うわけかわからないけど、あしたはデートだ。私は明日の雅人のサプライズに期待して、その日は早く眠りについた。





「お待たせ!」

元気良く挨拶して白い歯を見せる雅人。

傍らにはバイク。驚いた。いつの間にバイクなんか買ったの?

「ていうか、いつ免許とったの?」

「高二の春休みん時。集中して自動車学校通ったから速攻でとれたぜ!バイクは兄貴のだけどな」

あ、バイクは借り物ね。

「美里、今日の体調は?」

「うん、いいよ!大丈夫」

「よしじゃあ出発!」

雅人はそう言うと、持っていた二個のヘルメットのうちの1つを私に向かって放り投げた。


私はこれを両手で受け取った。けっこうズッシリくる。


「お嬢さん、後ろに乗んな!」

雅人はバイクにまたがると、私に向かってウインクした。

「うん!では、お願いします」

私がバイクの後ろに乗ったのを確認した雅人は、ゆっくりとバイクを発進させた。