その会話を再び思い出した瞬間、頭の中のもやもやが一気に収束していった。







「…そういうことか」






「ん?なに?どういうこと??」






「ごめん真島、ありがとう。俺忘れ物したから事務所戻る」






「えっ、はっ?…えぇ!?」







初めて彼に伝えた謝罪と感謝の言葉を真島自身が遅れながらも気づいた頃には、もう駆け出していた。







「―いらっしゃませー…あれ?佐渡くん?忘れ物?」







少し息を整えてからカフェの入り口を開けると、店長から不思議そうに問いかけられたが、適当に返事をしてホール内を見渡す。






ももさんの姿はなく、休憩時間も終わっているため、向かうところは厨房だ。







「…いた」