長尾さん、見えてますよ








ももさんといる時に、何かが引き金になって、かつての幼馴染である(ゆう)を思い出すことは、これで二回目。






とはいえこれまでの人生で誰かといた記憶を思い返すこと自体が二回目な訳だから、俺の中では多少困惑している。






かつてだから、もう何年もその人とは連絡を取ってないし、今更思い出すこの思考がわからない。






他人レベルの関係、それ自体に興味はない。






でも、あの日のことだけは違う。






あの人に言われた言葉とその表情の意味を、何年も経った今になって、理解してしまった気が、どうしても拭えなくて、余計に頭の中が散らかる。






スマホの上を無造作に滑っていた親指はいつの間にか止まっていて、画面に固定していた視線も、宙に投げ出されていた。







「あの、佐渡くん」