❁.
一頭の馬に二人で跨り先を急ぐ。手綱を握るライナーの背中にしがみつき、イザベラは目の前に広がる森の奥に思いを馳せていた。
行き先はもう決まっている。
急がなくてはと彼を背後からせっついている彼女の目に、一頭の馬が森を抜け走り去って行くのが見えた。
「どう言うこと?」
振り返り目で追うその馬は、あっという間に遠ざかって行く。小さくなる影をただ見送りながら、「物好きはお前だけじゃなかったみたいだな」と笑うその背中に拳を一発。「痛ぇよ」と全く痛がっていない声が、イザベラを揶揄うよう非難していた。
「冗談言ってる場合? あの馬の鞍を見たでしょ?」
「国王軍の紋章だな」
「じゃあ、あなたの部下ね」
少しの嫌味を込めつつ、彼の軍服にもあるそれを見つめる。
一頭の馬に二人で跨り先を急ぐ。手綱を握るライナーの背中にしがみつき、イザベラは目の前に広がる森の奥に思いを馳せていた。
行き先はもう決まっている。
急がなくてはと彼を背後からせっついている彼女の目に、一頭の馬が森を抜け走り去って行くのが見えた。
「どう言うこと?」
振り返り目で追うその馬は、あっという間に遠ざかって行く。小さくなる影をただ見送りながら、「物好きはお前だけじゃなかったみたいだな」と笑うその背中に拳を一発。「痛ぇよ」と全く痛がっていない声が、イザベラを揶揄うよう非難していた。
「冗談言ってる場合? あの馬の鞍を見たでしょ?」
「国王軍の紋章だな」
「じゃあ、あなたの部下ね」
少しの嫌味を込めつつ、彼の軍服にもあるそれを見つめる。
