Tageliet──永遠の秘薬──

 ライヒシュタイン城に侵入した五人の兵士たちはあるもの(・・・・)を求めて、城中を荒らしながら捜索して回る。「あったぞ!!」と一人の兵士が叫んだ場所は、城の地下室だった。

 大きな南京錠を力づくで壊し中に踏み入った兵士たちは、机の上に置かれたままの小さな小瓶を五本、鍵のかかった木箱に仕舞うとすぐさまその場を離れた。

 クラウスとヴィクトールが侵入者に気づいたように、兵士らもすでに悟られていることは承知済み。ゆっくりと気配を殺しながら螺旋状になった階段を上がる。

 そこへ、どこからともなく振り下ろされた剣が、先頭を歩いていた兵士が胸をひと付き。彼はその場で絶命した。

 待ち構えていたのはヴィクトール。

 虚をつかれ完全に出遅れたであろう他の者たちに向け、彼は相手の喉元に鋭く光るその尖端を突きつけた。

「『彼』から盗んだものを返せ」

 低く地を這うような声色でヴィクトールは凄む。

 しかし目の前の兵士はニヤリと笑い、「もう遅い」と両手を上げ、何も持ってはいないと彼に見せつけていた。