腕に覚えがない訳ではない。ただ「剣など女の嗜みではございません」と非難する乳母に気を使い、それを振るうことはなるべく避けていたのだ。
とにかく今は、共にこの危機を乗り越えなければならない。
鍛錬を積んだ兵士たち相手に負けず劣らずで応戦する彼女を横目に、ライナーは余裕と言わんばかりの笑みを垣間見せていた。
「ただのじゃじゃ馬じゃなかったようだな」
「おかげで少しは助かったでしょ?」
向かってくる屈強な男たちも女には負けまいと躍起になるが、イザベラとてそう簡単にやられはしない。けれどお互いにいくら腕が立とうと、やはり人数では明らかに不利だ。このままでは埒が明かないと嘆く彼女に、ライナーは叫んだ。
「近くに馬房がある。隙をついてそこまで走れ!」
聞くが早いか向かってくる兵士をなぎ倒し、剣を放り投げると転がしておいた書物を抱え直しイザベラはその場から全力疾走。それに続くよう後を追ってきたライナーに手を引かれ、持てる力の全てで草原の中を必死に駆け抜けた。
とにかく今は、共にこの危機を乗り越えなければならない。
鍛錬を積んだ兵士たち相手に負けず劣らずで応戦する彼女を横目に、ライナーは余裕と言わんばかりの笑みを垣間見せていた。
「ただのじゃじゃ馬じゃなかったようだな」
「おかげで少しは助かったでしょ?」
向かってくる屈強な男たちも女には負けまいと躍起になるが、イザベラとてそう簡単にやられはしない。けれどお互いにいくら腕が立とうと、やはり人数では明らかに不利だ。このままでは埒が明かないと嘆く彼女に、ライナーは叫んだ。
「近くに馬房がある。隙をついてそこまで走れ!」
聞くが早いか向かってくる兵士をなぎ倒し、剣を放り投げると転がしておいた書物を抱え直しイザベラはその場から全力疾走。それに続くよう後を追ってきたライナーに手を引かれ、持てる力の全てで草原の中を必死に駆け抜けた。
