Tageliet──永遠の秘薬──

❁.




 火が嫌い。

 それは恐怖心ではなく、拭いきれない嫌悪感と憎悪。

 家も友人も、父と母さえも────全てを炎に焼き尽くされた。

 柔らかな灯火は好きだ。温もりがあり優しさがあるから。

 しかし、業火の如く燃え広がる炎は手に負えない。

 それは人の心さえも灰にしていくもの。

「復讐」などという愚かな行為には興味などない。誰を殺めようと、何をしようと、死者は生き返らないから。

 ただ彼は知りたかったのだ。

 灼熱の炎に焼き尽くされるほどの罪がどんなものなのかを────その理由を、知りたかったのだ。