Tageliet──永遠の秘薬──

 ギルベルトは王を裏切っている。リーフェンシュタールの末裔が生きていることを、彼は初めから知っていたのだ。

「お父様が信頼している宰相は、お父様自身を欺いただけでなく、利用していたのよ!? ギルベルトは『血清』が手に入りさえすればよかった。ただそれだけ。彼が本当に欲しているものは、この国の玉座なの! それを手に入れるためだったら、彼は何でもする」

 そういう男なのだと気づいて欲しくて、イザベラは国王に向かい必死に訴えるが、国王は戯れ言だと言って全く取り合おうとしない。そればかりか、どこまでもギルベルトを信じきっていた。

「お前は母に似て美しく聡明だ。そして、どうしようもなく愚か⋯⋯。イザベラ、今度こそ死んでもらう!!」

 言うが早いか国王は、側に立て掛けてあった剣を手に取ると勢いよく鞘から引き抜く。イザベラは金属の擦れるその甲高い音に恐怖を覚えた。