メガネを外したその先に

「なんで?」


私の問いかけに対する返事が来るまでの間が、怖い。


「俺、教師だし。生徒からはもらえない。」


全く想定していなかったわけではない。

でも、私は他の子より特別なのではないかって、勝手に自惚れていた気持ちが打ちひしがられる。


「日頃のお礼、だとしても?」

「うん」


先生にとっては、さっきの子も私も同じ“生徒”なのだ。

それを真正面から突きつけられて鼻の奥がツンとしたけれど、何とか涙を堪えた。