メガネを外したその先に

一瞬視線を向けると静かに涙を拭う彼女の横顔が見えて、胸が締め付けられた。


「いつまでそこにいるんだ」


後ろから響いた先生の声にピクリと身体が反応する。

壁からチラリと顔を覗かせると、こちらを向いていた先生と視線が絡む。


「…バレてた?」

「あぁ、バレバレ」


若干の気まずさを抱く私とは裏腹に、ケロッとしている龍弥先生は罪深い。


「ほら、早く来い」