メガネを外したその先に

相変わらず端正だった先生の顔を思い出す。

メガネを掛けていなかった今日の先生は、私の知らないプライベートの先生だった。


今もまだ、彼女と一緒にいるのだろうか。

勝手に想像して、嫉妬に駆られて、行き場のない想いが胸の中で渦巻く。


アルコールで記憶を飛ばすってよく聞くけど、飲んでも飲んでも先生のこと忘れられそうにない。


二十歳の誕生日に何杯ものお酒を煽りながら、居酒屋で一人おつまみを食らう私は結構痛い。

こういう時に愚痴の一つでも聞いてくれる友人さえいない私って、つくづく可哀想で寂しい女だと思う。