メガネを外したその先に

「ないな」


即答されて一瞬期待を抱く。


「そもそも1人で帰ってる奴そうそういないし」

「それもそうだね」


でも、返ってきた答えが期待していたものではなくて明らかに沈んだ声を出してしまう。


「雨止んできたな」


暫くして先生の声に窓の外を見ると、先程までの大雨はすっかり止み、気付けば陽も沈んでいた。


「そろそろ出るか」