そんなある日、机の中に入れていたはずの英語のテキストがなくなった。
何度も何度も机の中も鞄の中も確認して、教室のゴミ箱やロッカーも確認した。
どこにも見当たらなくて、致し方なくノートだけを出して席に着く。
「前回の続き、57ページから」
大好きな龍弥先生の声が響き、周りの生徒たちがテキストを開く。
私だけがノートを広げたまま唇を噛み締め、先生に当てられた子の音読を聞きながら必死に涙を堪える。
目の前にできた影から伸びる長い指先が、私の机をトントンと叩く。
何度も何度も机の中も鞄の中も確認して、教室のゴミ箱やロッカーも確認した。
どこにも見当たらなくて、致し方なくノートだけを出して席に着く。
「前回の続き、57ページから」
大好きな龍弥先生の声が響き、周りの生徒たちがテキストを開く。
私だけがノートを広げたまま唇を噛み締め、先生に当てられた子の音読を聞きながら必死に涙を堪える。
目の前にできた影から伸びる長い指先が、私の机をトントンと叩く。
