メガネを外したその先に




「ちょっといい?」


翌朝、下駄箱の前に立っていた早紀の後ろに目を腫らした桃の姿が見えて嫌な予感がした。


二人の背中に着いていく形で体育館裏に行く。

もうすぐ一限の授業が始まる前で、朝練をしている生徒もいない体育館の裏はやけに静かだ。


「どういうつもり?」


責め立てるような早紀の声が頭に響く。


「友達の彼氏に手出すとかどういうつもりか、って聞いてんだよ!」