メガネを外したその先に

「せん、せ」


頭上から響いた声に振り返ると、メガネ越しに龍弥が小鳥遊くんを見据えている。


「すみません」


龍弥の圧に謝罪の言葉を口にした小鳥遊くんが、私から一歩離れた。


「あの、これは…」


言い訳を述べようとした私の腕を引いた龍弥が、言葉を発することなく歩き出す。

後ろを振り返ると、小鳥遊くんがペコリと小さく頭を下げてきて、その背中はいつもより小さく見えた。