メガネを外したその先に

「少しだけ、このままでいてもいいですか」


縋るように呟かれた言葉に、苦しくなる。


「明日からは、ただの後輩に戻りますので」


手を伸ばすことはできないけれど、突き放すこともできずに佇む。


「小鳥遊、くん」


人通りが全くない道ではなかったこともあり、若干周りの視線も気になったので静かに声を掛ける。

私の呼び掛けに小鳥遊くんが顔を上げたのと、後ろから誰かに腰を抱き寄せられたのがほぼ同時だった。


「何やってんの」