メガネを外したその先に

「いいんじゃね」


無愛想な先生の、素っ気ない返事。


「信じられない」


言葉を噛み砕く毎に込み上げてくる実感。


瞳いっぱいに涙が溜まり、今にもこぼれ落ちそうになった私の手を龍弥先生が軽く引き寄せて。

一気に距離が近づいたかと思えば、状況を把握して目を瞑る前に先生の唇が私の唇に触れた。


「これで信じられる？」


今にも唇が再び触れ合いそうな距離で紡がれた言葉。

唇に触れる先生の吐息に全部の意識を持っていかれて、あまりの先生の色気にクラクラした。