メガネを外したその先に

ガチャッと音がして後ろの扉が開き、出てきた小鳥遊くんと目が合う。


「お疲れ様です」


先程までのことはなかったように挨拶をしてくる小鳥遊くんに、私はいつも通りの挨拶を返せなかった。


唇を、強く噛み締める。

私のしていることって先生を困らせてるのかなと思うと、昨日までは自惚れていた気持ちが急激に萎む。


「アイツに何か言われた?」


小鳥遊くんの姿が消えていった方角を一瞥した龍弥先生が、核心をつく。