メガネを外したその先に

小鳥遊くんの腕を振り解く。

私ではなく、龍弥先生が悪く言われていることが悔しくて堪らない。


「もう、ほっといて」


悔しくて、悲しくて、苦しくて。

急ぎ足で裏口からお店を出ると、そこで待っててくれていた先生と鉢合わす。


「せんせ…」

「どうした」


今にも泣きそうな声を出した私に、龍弥先生が優しく声を掛けてくれるものだから余計に泣きたくなる。