メガネを外したその先に

「じゃあ、またデートしてくれる?」


調子に乗った私を、先生が一瞥した。


“…考えとく”

前回の先生の答えが脳裏を過り、先生が返事をくれる前に咄嗟に先生の口を両手で塞いでしまった。


手の平に、龍弥先生の唇の感触を感じる。

その感触でさえ、私をドキドキさせるには十分だ。


言葉に詰まった私に気付いたのか、先生が私の手を掴んで下ろす。


「行き先、考えとけよ」