メガネを外したその先に

「休憩、ね」


単語帳を捲る手を止める。

本当に休憩だとしても、先生が私を気にかけてくれていることを喜んでしまうのは許してほしい。


「先生って、高校時代どんな子だったの?」

「どんなって、別に今と大して変わらない」

「じゃあ、友達いなかったでしょ」

「じゃあってなんだ、じゃあって」


無愛想だし、自分にも他人にも厳しいし。

でも、実は嘘を吐くのが下手で、優しくて、きっと隠れファンは多かっただろうと思う。