メガネを外したその先に

「何」

「こんなに先生に優しくしてもらえるなら、風邪引くのも悪くないなぁって思って」

「馬鹿言うな」


先生には軽くあしらわれたけど、半分本気だった。

先生が作ってくれたうどんを啜っているうちに、どんどん食欲が復活してきてお箸が進む。


「ゼリーもあるけど食う?」

「たべたい」


病人の心がわかりすぎる先生は、やっぱり先生だ。

みかん味のゼリーを食べて、買ってきてもらった薬を飲み、再び横たわる。