メガネを外したその先に

「入るぞ」


先生に支えられながら部屋に戻り再びベッドに横たわると、先生の手が私の額へ添えられる。


「まだ熱高いな」


手にしていたビニール袋の中から取り出した冷えピタを、先生が私の額に貼ってくれた。


「きもちいい…」


ひんやりとした温度が、私の熱を落ち着ける。

ベッドの前にしゃがんだ先生が、私の額にかかる前髪をそっと退かす。


「こういう時こそ、連絡して来いよ」